免疫力とは?
免疫とは体外から侵入した細菌やウイルス、体内で発生した癌細胞などを常に監視し撃退する自己防衛システムの事です。
免疫の仕組みは精巧にできており、いくつもの免疫細胞が協調しあって働いています。
人間の身体の中では毎日、癌細胞などの異物(身体に害をもたらす細胞)ができます。
では多くの人はなぜ、発病しないのでしょうか?
それはさまざまな免疫細胞が連動し、癌を死滅させるために働いているからです。もし、免疫というシステムが体から無くなったとしたら、私たちはすぐに病気にかかってしまうのです。
免疫システムは15歳までに出来上がります。
20歳を超えると、免疫力は落ちていきます。
免疫力が下がってしまうと、、、
➀ウイルスや感染症などにかかりやすくなる
➁肌が荒れる
➂アレルギー症状(花粉症・アトピーなど)が生じやすくなる
➃下痢をしやすくなる
➄疲れやすくなる
白血球の働き
白血球とは、身体の中に侵入してきたウイルスや細菌などから、常に監視し命を守り続ける免疫細胞です。からだの中では多種多彩な白血球の仲間達が、緻密な連携を組んで異物と戦っています。
●マクロファージ(貪食細胞)
マクロファージはアメーバ状の細胞です。身体の中に侵入してきた異物を発見すると、自分の中にそれを取り込んで消化します。また一部のマクロファージは、抗原を細胞表面に出すことで、外敵の存在を他の免疫細胞に伝えます。そのほか、他の免疫細胞と共同で、TNF-α、インターロイキン、インターフェロンなど免疫細胞を活性化させるサイトカインという物質産生にも関与します。
●樹状細胞
外気に触れる器官(鼻腔、肺、胃、腸管、皮膚)などに存在している細胞です。名前のとおり枝のような突起(樹状突起)を周囲に伸ばす形態が特徴です。樹状細胞は、異物を自分の中に取り込み、抗原を他の免疫細胞に伝える働きを持ちます。実際には、抗原を取り込んだ樹状細胞は、リンパ節などのリンパ器官へ移動し、T細胞やB細胞などに抗原情報を伝えることで、それら免疫細胞を活性化させます。活性化されたT細胞やB細胞が、異物を攻撃します。
リンパ球の働き
●T細胞
ウィルスなどに感染した細胞を見つけて排除します。T細胞は、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞(レギュラトリーT細胞)の3種類があり、それぞれ司令塔、殺し屋、ストッパー・クローザーの役割があります。
➀ヘルパー細胞
樹状細胞やマクロファージから異物の情報(抗原)を受け取り、サイトカインなどの免疫活性化物質などを産生して、攻撃の戦略をたてて指令を出します。
➁キラーT細胞
樹状細胞から抗原情報を受け取り、ウィルスに感染した細胞やがん細胞にとりつき排除する。名前の通り「殺し屋」の働きを持っています。
➂抑制制T細胞
キラーT細胞などが、正常細胞にも過剰な攻撃をしないように、キラーT細胞の働きを抑制したり、免疫反応を終了に導いたり、というストッパー・クローザーの働きを持っています。
●NK(ナチュラルキラー)細胞
常に身体の中をパトロール巡回しており、ウィルスに感染した細胞などを発見すると単独で攻撃をしかけます。T細胞とは異なり、他からの指示を必要とせず、この細胞1つで外敵や異物を攻撃できるため、「生まれつき(natural)の殺し屋(killer)」という名前が付けられています。
●B細胞
B細胞は、抗体を産生する免疫細胞です。血液のもととなる造血幹細胞から作られ、樹状細胞の指令を受けると、外敵や異物だけを攻撃する抗体を作り、異物の排除を手助けします。また、B細胞は、細胞ごとに作る抗体の種類が決まっており、B細胞が作り出せる抗体に見合った外敵が出現した場合にのみ、活性化し抗体を作り出します。