痛みなどの原因である“悪い姿勢”を正すには?
よくある首や肩が凝る姿勢といえば、やはりパソコンを使っている時の姿ではないでしょうか。
多くみられるのは、背中が丸まり、あごが出ていて、前かがみになっているというのが多いのではないでしょうか。
そうすると頭の重さが首や肩の後ろ側の筋肉に集中してしまっている。とよくいわれているんです。
背筋を伸ばした良い姿勢を心掛ければ、肩が凝らなくなるでしょうか?
最初はなんとか頑張って姿勢をキープ出来たとしても、しばらくするとほとんどの人が、普段の前傾姿勢に戻ってしまいますよね。
それはまるで“形状記憶”です。
実際この歪んだ姿勢を身体に[記憶]している組織があるといいます。
それが【筋膜】です。
*筋膜がよれて固まり歪んだ姿勢を“固定”する*
筋膜とは、筋肉や内臓、骨などを覆う薄い膜の事です。
表皮のすぐ下に全身を覆う浅筋膜、と深筋膜、筋肉を包む筋外膜、筋肉の中で繊維を束ねる筋周膜や筋内膜。
筋膜は何層にも重なっていて、あらゆる膜が連続的につながっています。
筋膜の中には、コラーゲンとエラスチンという二種類のたんぱく質線維が、メッシュ状に張り巡らされています。
コラーゲンはほとんど伸びませんが、エラスチンは伸縮性に富んでいて、2.5倍もの長さまで伸びます。
よく動いている部位の筋膜は、エラスチンがよく伸縮します。
あまり動かない場所のエラスチンは動きません。
そうするとコラーゲンがエラスチンにまとわりついて凝集し、伸縮性を失ってしまいます。
膜同士が接していれば、互いに癒着してしまいます。
いわばコラーゲンが凝縮して固まった《煮凝り》のような状態です。
パソコン姿勢でいえば、動きの少ない肩甲骨や鎖骨まわり、ずっと座っているために、圧迫されるもも裏などは、煮凝り化している可能性がたかいです。
筋膜は全身でつながっているので、どこかが固まるだけで、全身に影響してしまいます。
縮んでよれた筋膜が姿勢を歪ませてしまっているんです。
パソコンの前で背中を丸めた姿を、筋膜が形状記憶してしまっているんですね。
慢性的に固まり易い場所
⦿肩甲骨のまわり たくさんの筋肉と筋膜が入り組んでいる肩甲骨まわり。でもパソコンの前では、腕や肩はほとんど動きません。肩甲骨が左右に広がった状態で固まりやすくなります。
⦿胸、鎖骨のまわり 背中を丸めたパソコン姿勢でいつも縮んでしまっているのが胸と鎖骨周りの筋肉群です。胸をすぼめた貧相な姿勢で固まりやすくなります。
⦿腰、お尻 腰やお尻の筋肉は、歩く時に活発に働くものが多いんです。だから、座ったままでは出番がほとんどありません。何層にも重なった筋肉同士が、凝り固まってしまいやすくなります。
⦿太もも裏 座りっぱなしの状態でつねに圧迫されている太ももの裏側。血流が悪くなり、筋膜の動きも制限されています。ここにもたくさんの筋肉が並んでいますが、一塊に固まってしまいやすくなります。
⦿指、手首 パソコン作業で唯一、過労を強いられているのが指や手の筋肉です。手首を上に反らせる筋肉は、キーボードの角度に固定されたままでほとんど伸縮しません。目につかない“慢性過労部位”です。
気になる事があったり、痛みや、姿勢の悩みなどがあれば、いつでもご相談下さいね。