むずむず症候群
むずむず脚症候群はレストレスレッグス症候群とも呼ばれ、じっと座ったり横になったりすると、主に脚(人によっては脚だけではなく腰や背中、腕や手に症状が現れる場合もあります。) にむずむずする、ぴりぴりする、かゆみ、痛みなどの強い不快感が現れる症状です。
むずむず脚症候群とは
脚に「むずむずする」などの不快感が起こる病気をレストレスレッグス症候群といい、一般に「むずむず脚症候群」と呼ばれています。むずむず脚症候群は、どの年代でも発症しますが、特に60~70歳代に多く、男性より女性に多くみられる傾向があります。
むずむず脚症候群の特徴
あしの不快感 動かしたい欲求
むずむず脚症候群では、あしの中を虫がはうような感覚があったり、あしのほてりやかゆみ、痛みなどの症状があらわれます。特に「あしの中がかゆい」感覚が特徴的です。これらのあしの不快感があらわれると、あしを動かしたいという強い欲求が起こり、じっとしていられなくなります。
夕方から夜にかけて症状が出る
一般にあしの不快感は、夕方から夜にかけて起こります。そのため、不眠を引き起こすことがあります。
動かないときに症状があらわれる
あしの不快感は、同じ姿勢で座り続けているときや、寝ているときなどの安静時にあらわれたり、強くなったりします。
あしを動かすことで不快感が軽減・消失
あしを動かしたり、軽くたたいたりすると、不快な症状が軽減したり、消失したりします。これは、あしの不快感よりも強い刺激を与えることで、むずむず脚症候群の症状を感じにくくなるためと考えられています。
むずむず脚症候群の原因
現在のところはっきりとはわかっていませんが、脳の神経伝達物質であるドパミンの機能障害が関係しているとされています。また、鉄不足がむずむず脚症候群の原因になるともいわれています。ドパミンをつくるのには鉄が必要なため、鉄が不足するとドパミンの量が減少してしまいます。
むずむず脚症候群が起こりやすい人
家族に発症した人がいると起こりやすいとされています。患者さんのおよそ半数には、遺伝的な体質が関係していると考えられ、特に45歳以下で発症した場合にはその傾向が強いとされています。そのほか、鉄欠乏性貧血やパーキンソン病、透析療法を受けている慢性腎不全の人、糖尿病がある人や、妊娠している人などで起こりやすい傾向にあります。
むずむず脚症候群の治療
症状が軽い場合 日常生活の改善が大切
あしの症状で眠れないからと寝酒をすると、症状を悪化させるため、就寝前の寝酒は控えるようにします。また、コーヒーや紅茶、緑茶類などに含まれるカフェインをとりすぎると、症状を悪化させたり、睡眠に悪い影響を与えるので、夕方以降はカフェインをとらないようにしましょう。
シャワーなどの刺激で症状が軽減し、寝つきやすくなる場合があります。熱いシャワーのほうがよいか、冷たいほうがよいかには個人差があります。
症状が重い場合 薬物療法
【鉄剤】
鉄不足がむずむず脚症候群の原因となっている場合は、鉄剤を服用します。
【ドパミン系薬剤】
ドパミンの伝達機能を改善する働きがあります。のみ薬のプラミペキソールと、貼り薬のロチゴチンの2種類があります。
ドパミン系薬剤は、使い過ぎると、むずむず脚症候群の症状が脚だけでなく手に広がったり、胸のむかつき、吐き気などの副作用があらわれることがあります。睡眠障害に詳しい専門医のもとで、適切な方法で薬を使用することが重要です。
【非ドパミン系薬剤】
神経に直接作用して症状をやわらげる働きがあります。のみ薬のガパペンチンエナカルビルを使用します。非ドパミン系薬剤だけでは十分な治療効果があらわれない場合や、痛みが強い場合に、ドパミン系薬剤と併用する場合もあります。ただし、腎機能が低下している場合は使えないことがあります。