みなさんは『お灸』と聞いて、どんな事をまず思い浮かぶでしょうか??
当院の患者様の声で一番多かったのが、、、
「熱そう」
「ヤケドしそう」
「悪いことしたら据えられる」
と言う言葉が多かったです。
たしかに昔のお灸は肌に直接置いて火を点けるので熱かったと思います。
今回は、昔使われていたお灸と現在使われているお灸の違いについて少しご紹介していきますね(^^)/
古代のお灸
中国の古代文献によると、お灸は今から約2千年前、北方民族の独特の医療として生まれ、やがてインドに渡り仏教医学として研究発達して来たと言われています。 特に、 中国北方民族の人たちは、人間の生涯という物を生まれたときは赤ちゃんを熱の塊として徐々に年老いて冷たくなり、やがて硬く動かなくなる物として捉えてきました。
そこで、『熱』から『冷』への移行を少しでも抑止し、火熱の摂取または維持によって少しでも長生きをするためにと考え出されたのが「お灸」です。お灸の原料となる「よもぎ」は 砂漠など、不毛の地とされているところでも、わずかなオアシスのほとりでも生えています。 この生命力の高い植物に依って病気の治療をすることを考え付いたのが、お灸の始まりだとされています。
人々はよもぎを乾燥させてもぐさを作り、灸をすえることを考えつきました。 また、きびしい寒さのために衣服をつけたまま手足の先に灸をし、その結果、内臓の病気が治る事を知り、このような経験の積み重ねからお灸という東洋医学独特の治療が生まれたのです。
日本のお灸の歴史
日本にお灸が入って来たのは平安時代で、仏教伝来士によりもたらされ室町時代に中国との交流の中で宗教とともに広まっていきました。
お灸の全盛期は江戸時代中期で、その治療法はヨーロッパにも伝えられ、お灸の材料のモグサをMOXAと日本名で紹介されています。明治初期に西洋医学が医学の中心になる前までは、漢方薬とともに治療のひとつとしてモグサが広く使われ、民間療法として愛用されてきました。お灸は子供から大人まで病気にかからないよう、体力増進を主目的として行われていたとされています。
昔のお灸のイメージはこんなのを想像する方が多いと思います。
見た感じとても熱そうですが、実際も本当に熱いです、、、
こういったお灸は『イボ』の治療に使われる事が多く現在では西洋医学のレーザー治療が一般化してきているので見かけなくなってきました。また、皮膚を化膿させるので感染症のリスクがある事から禁止されるようにもなりました。
現在のお灸はと言うと、、、
筒の中にモグサが入っており、そこからモグサを出す量でお灸の温度を調節することができ、ポカポカとした温かい温度でゆっくりと患部を温めていきます。ですので、火傷とかのリスクが無くお灸を据えることができます。