鼠経ヘルニア
★鼠径ヘルニア(脱腸)とは、足の付け根の辺り(鼠径部)で筋膜が薄くなっている部分から、腸などの内臓が腹腔外に飛び出してしまった状態です。 患者さんの約9割が男性で、50歳代以上の方が特に多いといわれています。 男性には、鼠径管と呼ばれる通路が存在します。
鼠径ヘルニアの症状 鼠径部に膨らみができ、不快感や違和感、あるいは痛みを訴えて病院に来られる方がほとんどです。 また、立っているとき、膨らみや違和感があるのに、横になると内容物がおなかのなかに戻るので膨らみや違和感がなくなるという症状は、鼠径ヘルニアならではのものです。
・鼠経ヘルニアになる原因
鼠径ヘルニアを発症する原因は、先天性(生まれつき)と後天性(生まれた後に発症する)があります。 先天性の場合、生まれたときからヘルニア嚢が存在するため、乳児期から鼠径ヘルニアを発症します。 後天性の場合、立ったり座ったりという慢性的な鼠径部への圧力に加え、加齢による腹壁の脆弱化によって鼠径ヘルニアを発症します。
もし鼠経ヘルニアを放置しておくと・・・。「
放置しておくリスク 鼠径ヘルニア(脱腸)は放置していた場合でも、がんなどの病気のように生命を確実に縮めるというものではありません。 しかし、放置すると脱出した腸が出っ張ったまま硬くなってしまい、お腹の中に引っ込まなくなってしまうことがあります。 この状態を「嵌頓(かんとん)」といい、緊急手術が必要になることもあります。
鼠経ヘルニアの種類
鼠径部のヘルニア
- 鼠径ヘルニア(外鼠径ヘルニア85%、内鼠径ヘルニア12%)
- 大腿ヘルニア3%
鼠径ヘルニアは脱腸ともよばれています。本来ならお腹の中にある腸などの内臓が鼠径部にはみ出てきてふくらんだ状態になります。中高年の男性に多い。
外鼠径ヘルニア
小腸などが鼠径管の内鼠径輪から入って外鼠径輪から出てくることを外鼠径ヘルニアとよんでいます。
ほとんどが外鼠径ヘルニアです。
外鼠径ヘルニアは姿勢を正すこと(体操療法・整体)・体重を減らすこと・腸内環境をよくすること(食事療法)で自分で治すことができます。施術者の役割はそのためのアドバイスやお手伝いをすることです。
内鼠径ヘルニア
小腸などが鼠径管の後壁から入って外鼠径輪から出てくることを内鼠径ヘルニアとよんでいます。
内鼠径ヘルニアは通常の外鼠径ヘルニアのルートとはちがった形で腸などが出てきていますので治すのには多少、根気を要します
※外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアとも鼠径部のふくらみだけに気をとられないで、しっかりと原因(生活)を正して健康なからだに戻していこうとする気持ちをもつことが大切です。
健康なからだに戻すと鼠径部のふくらみは自然になくなってくれます。
鼠経ヘルニアを整骨院で治療するならどんな治療がいいのか?
病院で一度診察を受けてから来院されると安心です。
自然との調和
鼠径ヘルニアは生活習慣病という見方をするとわかりやすくなります。生活習慣病を治すためには生活を正して自然治癒力を高めていけばよいのです。そのためには、ふだんの「呼吸」「睡眠」「食事」「運動」「心の持ち方」などの生活習慣をひとつひとつていねいに見直していくこと大切です。鼠径ヘルニアは「運動・姿勢」と「食事・体重」を見直していくことが基本となります。
体操療法・整体
おじぎ体操、インナーマッスル体操で姿勢を調えます(調身)、呼吸を調えます(調息)、こころを調えます(調心)。よい姿勢になると腰部や鼠径部に負担がかからなくなります。下垂した内臓も元の位置に戻ってくれます。
からだが楽になるとこころも楽になります。からだとこころがリラックスすると自然治癒力・免疫力・生命力が高まります。そして結果的に鼠径ヘルニアや腰痛、肩こり、頻尿、尿漏れ、痔、子宮筋腫、子宮脱、胃下垂などが連動して改善します。
※胃下垂・内臓下垂(下腹のポッコリ)を治す過程において鼠径ヘルニアが改善していることがよくありました。この出来事から鼠径ヘルニア(脱腸)は内臓下垂を改善することによって治ってくれるということがわかりました。
鼠経ヘルニアに対しての鍼灸治療
【 脱腸(鼠径ヘルニア)の名灸 】
からだの中にある臓腑が、その部位から外へ脱出して戻らなくなった状態を
「ヘルニア」といいます。
「ヘルニア」には、たくさんの種類がありますが、足の付け根のところから
腸が出る「鼠径ヘルニア(脱腸)」が最も多く、放っておくと飛び出した
腸が戻らなくなり、腸捻転、腸閉塞などを引き起し、最悪の場合、腸が壊死
したします。
一般的に、腹の中に還納する脱腸帯で押さえたり、手術によって穴をふさぎ、
腸が外にでないような処置をおこないますが、不思議に効く鼠径ヘルニアの
名灸があります。
それが『脱腸点』のツボです。
この名灸は、若年層の鼠径ヘルニアには効果がありますが、筋力が低下した
壮年者には効果があまり期待できません。
脱腸した部位と同じ側の『脱腸点』穴に7~15火ほどを毎日行います。
『脱腸点』のツボは、足の内踝(うちくるぶし)の頂点より
指幅1本分ほど斜め下方へ向かったところに取穴します。