現在、日本国内の15歳以上の4割は頭痛持ちといわれています。
家族や親戚、職場や学校などで頭痛に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。頭痛は、一時的で軽い痛みのものから、継続的なもの、耐え難い痛みのものなど様々ですが、脳の重大な病気が原因となっている場合もあるため、「たかが頭痛」と軽く考えるのは危険です。一方、深刻なものとばかり捉える必要もありません。ストレスや性格、姿勢など、周辺的な要因から生じる頭痛もあり、そのような場合は生活習慣を少し改めるだけで、痛みが起きにくくなったり、軽減したりすることもあるのです。頭痛のことをよく知って正しく頭痛をケアしましょう。
頭痛とは?
実は、「頭痛」といっても、脳自体が痛むわけではありません。頭部で痛みを感じるのは、骨膜、太い血管、硬膜、頭皮、頭を覆う筋肉、脳神経などで、これらの組織が圧迫されたり、引っ張られたり、炎症を起こしたりした時、それが痛みとなって現れたものを「頭痛」と総称しています。
①片頭痛
片頭痛とは、こめかみから目にかけて、片側が多く、時には両側や後頭部までも脈打つように起こる頭痛です。
※特徴
・親戚内に同じような頭痛を持つ人がいることが多い
・10~20歳代で発症する人が多い
・月に平均2~6回の頭痛発作が起こるが、発作が過ぎれば体調に問題はない
・約6割の人は頭の片側に痛みが起こる
・脈打つような痛みであることが多い
・動くと痛みが増す、またはじっとしているほうが楽
・痛みがひどい時には、吐き気やおう吐につながることがある
・頭痛の時、光や音をわずらわしく感じることが多い
・仕事や家事に支障をきたすほど強い痛みが起こることがある
②緊張型頭痛
後頭部から首にかけて、重苦しい感じや、頭を紐やベルト等で締めつけられているような圧迫感が起こるのが緊張型頭痛です。時々起こるものとほぼ毎日起こるものがあり、片頭痛のようにズキズキする痛みや寝込むほど強い痛みではなく、動いても痛みは強くならず、光・音過敏や吐き気もありません。
※特徴
・後頭部を中心に両側がじんわり痛む
・片頭痛のようなズキズキする痛みや寝込むほど強い痛みではない
・重苦しい感じや頭を紐やベルト等で締めつけられているような痛みがある
・首や肩のこりを伴うことが多い
・通常は吐き気を感じることはない
・頭痛がしている時に光や音を煩わしく感じることは少ない
・動いても痛みは悪化しない
③群発性頭痛
群発頭痛は、片方の目の周りにひどい痛みを感じることから「目の奥をえぐられるような激しい痛み」といわれます。頭痛のなかでも、もっとも痛みの強い頭痛の一つです。
※特徴
・比較的男性に多い
・いつも同じ片側の、目の奥やこめかみに痛みが出る
・激しい痛みが1~3時間ほど続く
・頭痛と同側の眼が充血したり、涙が出たり、鼻汁が出たりといった症状を伴う
・頭痛発生時は、激しい痛みでじっとしていられない
・群発期には飲酒をすると痛みが起こるが、群発期を抜けてしまえば飲酒をしても痛みは起こらない