『ムチウチ(むち打ち症)』は、交通事故やスポーツなどで首が急激に前後に振られることで発生する首の損傷の総称です。
正式な医学用語ではなく、一般的には「外傷性頚部症候群」や「頚椎捻挫」とも呼ばれます。
ムチウチの原因
主に後方からの追突事故で発生しやすく、次のようなメカニズムで首がダメージを受けます:
1.衝撃で首が後方にのけぞる
2.反動で首が前方に強く振られる
3.首の筋肉や靭帯、神経が損傷する
この急激な動きが「ムチを打つような動作」に似ていることから「ムチウチ」と呼ばれるようになりました。
ムチウチの主な症状
ムチウチは事故直後よりも数時間~数日後に症状が現れることが多いのが特徴です。主な症状は以下のとおりです。
① 頚椎捻挫型(最も多い)
•首の痛み、こり
•肩こり、肩の痛み
•動かしにくさ(可動域の制限)
•後頭部の痛みや違和感
首の筋肉や靭帯が損傷することで起こります。交通事故のムチウチの約7~8割がこのタイプです。
② 神経根症状型
•手や腕のしびれ・だるさ
•首を動かすと痛みが走る
•力が入りにくい
頚椎(首の骨)の間から出る神経が圧迫されることで発生します。
③ バレ・リュー症候群(後部交感神経症候群)
•めまい・耳鳴り
•頭痛
•吐き気
•視力低下、目のかすみ
首の血流や自律神経に影響が出ることで起こります。
④ 脊髄症状型(重症)
•手足の麻痺
•歩行困難
•排尿・排便障害
脊髄に損傷が及ぶと、深刻な症状が出ることもあります。
⑤ 脳脊髄液減少症
•強い頭痛
•慢性的な倦怠感
•天候による体調変化
脳脊髄液が漏れ出すことで起こるとされますが、診断が難しいケースもあります。
ムチウチの治療方法
症状によって治療方法は異なりますが、基本的には保存療法(安静+リハビリ)が中心です。
① 初期(事故直後)
•安静にする(炎症があるため)
•頚椎カラー(首のコルセット)を装着することもある
•冷やす(アイシング) → 2~3日後から温める(血流促進)
② 回復期(痛みが少し落ち着いたら)
•温熱療法(ホットパックやお風呂)
•リハビリ(ストレッチ・マッサージ)
•低周波治療(電気治療)
•運動療法(軽い体操)
③ 慢性期(長引く場合)
•神経ブロック注射(痛みが強い場合)
•鍼灸・整体(補助療法として)
•ストレス管理(自律神経の乱れが影響することも)
ムチウチの後遺症と注意点
1. 長期化しやすい
ムチウチは数週間~数か月で改善することが多いですが、放置すると長期化することもあります。
特にバレ・リュー症候群や神経根症状型は後遺症が残ることがあります。
2. 事故直後は痛みを感じにくい
交通事故の直後はアドレナリンが分泌されているため、痛みを感じにくいことがあります。
そのため、後から痛みが出た場合でも、すぐに病院へ行くことが重要です。
3. 医療機関の受診を忘れずに
•整形外科 → レントゲン・MRI検査
•神経内科 → 自律神経の症状がある場合
•接骨院・整骨院 → 医師の指示がある場合に通院可
交通事故によるムチウチは自賠責保険の適用対象になるため、保険会社と相談しながら適切な治療を受けるのが大切です。
まとめ
•ムチウチは首が急激に前後に振られることで発生する損傷
•主な症状は首の痛み、肩こり、めまい、しびれ
•数時間~数日後に症状が出ることが多い
•治療は安静・温熱療法・リハビリが中心
•放置すると後遺症が残る可能性があるため、早めに医療機関を受診することが重要
ムチウチは見た目ではわかりにくいため、「大丈夫」と思わずに早めに病院へ行くことが大切です。
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