「側弯症(そくわんしょう)」とは背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。
通常、小児期にみられる脊柱変形を指します。
左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)、などの変形を生じます。
側弯症の原因
先天性(生まれつき)の背骨の奇形、神経・筋原性(神経や筋肉に原因がある)や結合織異常(身体を支える組織の異常)、外傷、腫瘍など、原因となるものが明らかな側弯症のほか、特に原因のないものがあります。
これを特発性側弯症といい、脊柱側弯症の80%以上を占めます。くの時の変形も見られます。くの字の変形の内側に痛みの原因があったりします。
年齢が40代、50代、60代、70代、80代での脊柱側彎症も最近急速に増加し、その手術も大変多くなってきております。若い頃からの脊柱側彎症を放置して、それが年齢とともに悪化したものを指すと考えて差し支えないものと言えます。
若い方の側彎症と比べて、左右へ体のバランスを失うことや脊柱後彎症(背中が丸くなってしまうこと)や脊柱管狭窄症を合併することも多く、また骨が脆弱になっていることなどから、若い方の側彎症手術よりもやや難しい手術と言えるかもしれません。また、年齢を考えると手術は?という心配もあるかと思います。
しかしながら、手術が予定通りにいきますと、胸が押さえられての呼吸苦やお腹を押さえられての食欲不振などが払拭されます。背筋が伸びてバランスを回復しますので日常生活がたいへん楽になります。
また、最近では骨形成を促進する、また骨吸収を抑制する注射薬で骨粗鬆症の治療を強力に行うことができるようになりました。これにより、骨粗鬆症を治療しながら手術を行うことが可能になっています。当センターで脊柱側彎症手術の最高齢は86歳です。
側弯症の方の姿勢分析を当院でも取りました。この方は中学生のころから側弯症で悩まされているそうです。前整骨院では完治せずほっと整体整骨院に通い始めて4回目で姿勢分析のお写真を撮らせていただきました。↓↓
側弯症の方の姿勢分析♪♪
側弯症の弯曲について
側弯症では、脊柱の弯曲が正常でない以上な形に弯曲したり、脊柱が左右に弯曲したりします。脊柱の弯曲だけでなく、背骨そのものがねじれていることもあります。
側弯症が日本で起こる割合は約1~2%だと言われており、その多くは女性です。
多くの人は脊柱がねじれて横に弯曲している側弯症です。中でも原因不明の特発性側弯症の人が多いです。生まれつき背骨の形が異常な先天性側弯症の人も多くいます。
特発性側弯症は2種類あります。10歳以下で起こる早期発症側弯症と、10歳以上で起こる思春期側弯症です。
思春期に起こる場合が多く、男子よりも女子の方が非常に多いです。女子の割合が男子の5〜8倍ほど多いとも言われています。
普通は成長して身長が伸びるとねじれのある側弯変形が進み、ある程度大人になり身長の伸びが止まると側弯変形も止まります。
変形が軽い場合は変形が残っても腰痛など痛みの原因にはなりません。そのため軽い変形であれば妊娠や出産などの生活での出来事に影響することもあまりありません。
しかし、ある程度よりも大きく変形するとその後も少しずつ変形が進みます。変形が進むと内臓を圧迫し始め、健康に影響が出ることも多いです。
原因がある側弯症と原因不明の側弯症
原因がある側弯症にも原因によって様々な種類があります。
先天性側弯症の原因は、生まれたときからの椎骨の形の異常です。神経・筋原性側弯症は色々な神経や筋肉の病気が原因です。原因となる代表的な病気として、脊髄空洞症、脳性麻痺、筋ジストロフィーなどが考えられます。
神経線維腫症が原因の側弯症もあります。これはレックリングハウゼン病とも呼ばれます。特有の色素斑や皮膚腫瘍などが現れることで神経線維腫症が原因の側弯症だと判断することができます。
生まれたときから血管や結合組織などの間葉系疾患の病気があることが原因の側弯症もあります。原因となる代表的な病気はマルファン症候群です。
その他にも、側弯症は放射線ややけどなどで起こったケロイド、骨系統の疾患や感染、代謝の疾患、脊椎の腫瘍などが原因で起こることがあります。
細めの体型の女子に多く、性ホルモンや筋肉量との関係も原因として言われていましたが、原因はいまだに明らかになっていません。特発性側弯症は全側弯症の約60~70%です。
側弯症が健康に及ぼす影響
側弯症が健康に及ぼす影響は側弯が起こっている部位によって変わります。側弯のタイプでは圧倒的に胸椎の右凸側の弯が多いです。多くは女性に起こることが多く胸椎の場合、美容でも重要な問題になります。
左右側面の方向に弯曲しているだけでなく、椎体自体がねじれながら弯曲するため段々と肋骨も変形していきます。
凸側の肋骨が後ろに出てくると、左右の乳房の大きさが変わったり変形したりします。背中の出っ張りが現れることもあり、女性は美容的な問題でストレスを抱えることも多いです。
側弯症では、左右の肩の高さに違いが出たり、肩甲骨が突き出したり、腰の高さが非対称になったり、胸郭が変形したり、などの症状が起こります。
側弯症が進むと、出っ張っている側の肋骨の前後がつぶれるように変形していきます。そのため、肺などの臓器が圧迫されてしまいます。
心肺機能が下がることや腰や背部に痛みが起こることがあります。
側弯症の改善は装具を使うことが多い
側弯症の改善方法は、原因や程度、年齢などによって様々です。
特発性側弯症で側弯の程度が軽い場合は、運動などを行い、経過を観察します。しかし、側弯が進んでいる場合は装具を使って改善を行います。
側弯症の多くは脊柱の成長期の思春期に悪くなっていきます。そのため、側弯が進む場合は手術をして矯正することが必要になることもあります。
先天性や症候性の側弯症で側弯が進み悪くなると思われるときにも手術をして改善を試みることも多いです。
側弯症の改善方法で多く使われる方法は装具での改善です。現在最も多く使われている装具は、アンダーアーム型です。これは、プラスチック製で脇の下から胴体の部分に着けるものです。
アンダーアーム型の装具は、ゆったりとした服を着たら見た目では着けていることがわかりません。しかし、アンダーアーム型は胸椎の上部の弯曲には効果を発揮しません。
側弯症の手術と生活
側弯症の改善のために手術をした場合、手術の後にはまず、骨がくっついて一塊になることを考えて行動する必要があります。
日常生活を送る上で気をつけることは、運動です。半年間スポーツは禁止してください。その後、軽いスポーツから挑戦します。ある程度の運動量のあるスポーツは手術をしてから10ヶ月後が良いとされています。
手術は背骨を金属で固定するため、背中の柔軟性がなくなります。そのため、直接体がぶつかる柔道や格闘技、ラグビーなどのスポーツはしてはいけません。
飛んだり走ったりすることは問題ないため、日常生活は普通に送ることができます。
手術をした後に出産をする人も多いです。ほとんどの人は手術をして金属が背中に入っていても問題なく日常生活を送っています。
金属があたって痛いということもありません。不都合で金属を取らなければいけなくなることもほとんどありません。気にせず日常生活を送ると良いです。
ほっと整体整骨院ではストレッチポールの施術も積極的に取り入れています↓↓
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参考・引用