上腕二頭筋長頭腱炎
2021.11.30
上腕二頭筋長頭腱炎とは?
肩の前の部分で腕の肩と力こぶ(上腕二頭筋)の筋肉と骨の部分で摩擦が起こり炎症し、痛みで肩を動かしにくくなった状態のことです。
ポパイ動作筋ともいわれ力こぶを構成する筋肉です。
上腕二頭筋長頭腱炎の症状
- 物を持ち上げるときに肩の前が痛む
- 腰に手を回すと肩が痛む
- 肩より上に手を上げると痛む
- 頭を洗うときに痛む
- ある特定の角度で肩が鋭く痛む
上腕二頭筋長頭腱炎とは、肩から肘にかけて着いている上腕二頭筋(力こぶの筋肉)に負荷がかかって腱と呼ばれる骨と骨を繋ぐ部分に炎症が起こってしまう状態です。
上腕二頭筋の主な働きは、肘を曲げる動作や、肩周りを安定させる役割があります。
腱の部分は肩の関節に着いており、腕の骨の溝を走っている筋肉です。
病態としては主にスポーツでの障害が多いです。競技特性としては、球技全般(野球やソフトボール、ボウリング、陸上競技の砲丸投げ、円盤投げなど)が挙げられます。
特に多いのが野球です。
広義の「野球肩」にも分類されます。
投球動作を細かく分けると、コックアップ時(頭の後ろにボールを持ってくる時)と加速期(ボールを投げる直前の動き)に肩の前に負担がかかりやすく、特に加速期が上腕二頭筋長頭腱に最もストレスがかかりやすい時期になります。
腱は骨の間を走っているので、そこで衝突が起こって痛みや動きの制限がかかってしまいます。
スポーツで多い症状ですが、日常生活でも症状が発生することもあります。
重たいものを持ったり、料理など包丁で硬いものを切っている時に力を入れすぎて痛みが出ることもあります。
上腕二頭筋長頭腱炎の主な原因としては
- 競技においてのオーバーユース(使い過ぎ)
- 肩関節の不安定性
- 肩の前への日常的な負荷
- 巻き肩
上腕二頭筋長頭腱炎の原因の一つである巻き肩とはどういう状態なのか?
巻き肩→巻き肩とは、両肩が内側へ巻きこむように縮こまり、本来あるべき位置からズレた状態。 スタイルが悪く見えるだけでなく、あらゆる身体の不調にもつながります。 肩まわりや背骨の筋肉は、無意識に酷使しがちなので、こり固まると、巻き肩&猫背になりやすい傾向に。
巻き肩からくる不調とは
巻き肩が原因となる身体の不調は、様々です。いつくか例を挙げると。
首肩のコリ
巻き肩になると、肩が正しい位置ではなくなるため、肩周辺の血流が悪くなり、首や肩のこりにつながっていきます。
呼吸が浅くなる
肩が内側に入ると、胸の筋肉も収縮した状態になります。呼吸をする時に肺が思うように膨らむことができず、浅い呼吸になってしまいます。呼吸が浅くなると身体全体に酸素が届きにくくなり、そのため疲れやすくもなります。
むくみやすくなる
鎖骨にはリンパ節があり、身体全体のリンパの最終地点となっています。巻き肩になって胸側の筋肉が収縮することで、鎖骨周辺の巡りも悪くなってしまいます。リンパの流れが悪くなると、全身の老廃物が滞留しやすくなってしまうので、むくみやすくなってしまいます。
巻き肩セルフチェック方法
①鏡を使ったチェック方法
鏡の前にいつもの姿勢で立って見てみましょう。鏡はできるだけ全身が映るもの、もしくは手のあたりまで映るものがベストです。この時、手の甲はどう見えていますか?
手が体側にあり、手の甲が外を向いて鏡から見えない状態であればOK。もし手が前もも付近にあり、手の甲が鏡側を向いて見えている場合は、巻き肩の可能性があります。
②腕を使ったチェック方法
まず肩幅くらいに足を開いて立ちます。
そこから腕をできる限り耳に近付けながら、上がりきる限界のところまでバンザイをして下さい。
この時、腕がどの位置まで上がっていますか?
耳より後ろまで上がっていればOKですが、耳よりも前までしか上がらなければ巻き肩の可能性があります。
巻き肩解消ストレッチ
では、早速、巻き肩を解消するストレッチをご紹介していきます。無理せず、ご自身の出来る範囲で行ってみてください。
大胸筋のストレッチ
- うつ伏せになり、両手は肩の高さで横に開いていきます。
- 右手でマットを押し、身体を横に向けていきながら、右足は曲げてマットにつけておきます。
※足の指がつくくらいでもOKです。痛気持ち良いところでストップ!
- 余裕のある方は、左手を斜め上に移動させると伸びが深まります。
力こぶと上腕二頭筋の関係性
肩甲骨の関節窩(か)の上からの長頭と、同じく肩甲骨の烏口(うこう)突起からの短頭の2頭で起こり、大きな筋腹を経て橈骨(とうこつ)上端部外側に付くとともに、一部は前腕筋膜に付く。
主として前腕を屈曲、回外する働きがある。
いわゆる〈力こぶ〉はこの筋によってつくられる。
“力こぶ”を形作る筋肉が上腕二頭筋です。
二頭という名前の通り、起始(胴体側に腱が付着している部分)が「長頭」と「短頭」に分かれています。
長頭は短頭の外側、肩甲骨の関節上結節から、短頭は長頭の内側、肩甲骨の烏口突起から始まり、筋腹部で一緒になって、大部分は橈骨の内側に付着します。
肩関節と肘関節、2つをまたいで走行しているので、二関節筋に分類されます。
作用としては手のひらを上に向けて(この動きは「前腕を回外する」といいます)肘を曲げる動作を担っています。
ドアノブなどが右回りに捻るように作られているのは、回外動作では上腕二頭筋が働くため力が出やすいから、とされています。
あ、でもこれ、左利きのひとには逆に使いにくいってことです。
上腕二頭筋長頭腱炎の鍼灸治療と有効性
上腕二頭筋長頭腱炎の鍼灸治療 肩の前側の痛みなので、関連している太陰経の経絡を使います。
特に肺経の孔最と呼ばれるツボに圧痛が出やすいので、そこを刺激して痛みの軽減をはかります。
また上腕二頭筋の緊張を緩め、腱の摩擦を軽減し炎症を抑えていきます。
- 肩井
- 肩、背中の痛み。不眠やストレスとのとき張り
- 肩貞(けんてい)
- 肩、腕の痛み。耳鳴り
- 手三里
- 胃腸、上肢、目の症状、テニス肘。肩こり
- 肩外兪
- 首、肩、背中の痛み。
超音波治療
上腕長頭腱炎の超音波治療の効果とは?
- 上腕二頭筋長頭腱
- 上腕骨頭を内外旋させることで、上腕二頭筋腱の亜脱臼の有無や烏口下インピンジメントの有無をチェックする。
- Subacromial arch
- プローブを烏口突起と肩峰間に移動させ、烏口肩峰靱帯を描出し、上腕骨頭を回旋させながら肩峰下インピンジメントや疼痛の発生の有無について調査する。下垂位だけでなく、徐々に外転角度を増しながら観察する。
- 棘上筋腱、棘下筋腱
- 短軸像を描出し同様に上腕骨頭を回旋させることで動態観察を行う。
- 後方関節唇
- プローブを後方に当てて後方の腱板(棘下筋腱、小円筋腱)の観察とともに上腕骨頭を内旋、外旋させて関節唇の動態評価を行う。
超音波とは人間の耳では聞こえないほど高い周波数(20kHz以上)で振動する音波と定義されています。
この超音波の機械的振動を生体に照射して、治療効果を上げるのが超音波療法です。
超音波を照射すると、その機械的振動によって生体組織が加温され、生体内にある数μmの微小な気泡が圧縮と拡張を繰り返し、細胞膜を適度に刺激して細胞を活性化させます。
超音波療法は超音波の機械的振動を照射する治療法です。
超音波の振動によって血流の改善・増大、疼痛の緩和、組織の伸展性の向上に効果が期待できます。
超音波を上腕二頭筋長頭腱の筋腹に当てると効果的です↓↓
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ほっと整体整骨院より💛
坐骨神経痛
2021.11.26
坐骨神経痛
お尻から足の後ろ側にかけての痛みやしびれ、麻痺などの症状のを「坐骨神経痛」と言います。 坐骨神経痛を病名と思われている方がいますが、頭痛や腹痛と同じ症状を表す言葉です。 いろいろな原因によって坐骨神経が圧迫されたり刺激を受けることで痛みやしびれなどが起こり、その症状を総称して「坐骨神経痛」と呼んでいます。
坐骨神経に似た病気の一つに整形外科疾患のほかに、血流障害によるものなどがあります。 整形外科疾患で主なものは、「梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)」「仙腸関節障害」「椎間関節障害」「殿皮神経障害(でんぴしんけいしょうがい)」などです。
梨状筋下孔部から出ている坐骨神経が絞扼されて坐骨神経痛が出ます。
坐骨神経痛とは? 原因、症状、治療法、日常生活のコツについて
「坐骨神経痛」とは、病名ではなく下肢にあらわれる症状の総称で、おしりから下肢にかけて痛みやしびれが続く状態を言います。
坐骨神経とは?
坐骨神経は、坐骨を通りおしりの筋肉“梨状筋”(りじょうきん)を抜け足へ向かう末梢神経のひとつ。
末梢神経は脳と脊髄からなる中枢神経と体の各部を結び、体を自由に動かしたり、温度を感じたりする“伝導路”で、主に3つの神経から構成されています。
(1)運動神経
脳から指令を送り、体の各部位を動かす神経
(2)知覚神経
痛みや温度などの感覚を、皮膚、筋肉、関節を介して中枢に伝える神経
(3)自律神経
意志とは無関係に、内臓、血管、腺などの機能を調整する神経
私たちの下肢が自由に動かせたり、バランスよく歩く事が出来るのは、末梢神経である「坐骨神経」がしっかり働いてくれるおかげなのです。
“神経”というと、細いイメージがありますが、坐骨神経は末梢神経の中で一番太く、サイズはボールペンくらい、長さも1メートルと最も長いものになっています。
この長い坐骨神経は、“ 総腓骨神経 ”(そうひこつしんけい)と、“ 脛骨神経 ”(けいひこつしんけい)に分かれ腰椎から足の指まで伸びています。
その為、何らかの原因でこの坐骨神経に問題が生じると、この神経の通り道でもある、おしりから下肢にかけて痛みが引き起こされるのです
坐骨神経痛の症状
「坐骨神経痛」の痛みは、自覚症状であるため本人にしか分かりません。
そのため痛みの表現も様々で、しびれは「ビリビリ」「ピリピリ」「チクチク」「ジンジン」など、痛みは「ズキズキ」などと表現される事が多いです。
痛みの場所は坐骨神経が通っている、おしりから下肢にかけて起こり、片肢に症状が出る場合がほとんどですが、両肢にあらわれる事もあります。
坐骨神経痛の主な症状
- おしりから下肢にかけて痛みがある
- 長い時間立っている事が辛い
- 腰を反らすと下肢に痛みやしびれを感じる事がある
- おしりの痛みが強く、座り続ける事が困難
- 歩くと下肢に痛みが出るため歩けなくなるが、休むと歩く事が出来る
- 体をかがめると痛みが強くなる
・尿失禁や頻尿など、排尿障害がある
・会陰部がしびれたり、ほてるなどの異常感覚がある
など、しびれや痛みだけでない症状も出ている場合は、重度の腰椎疾患が疑われるので、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。
坐骨神経痛が起こる原因は?
坐骨神経痛を引き起こしている原因は様々ですが、主な理由として“腰椎疾患”があります。なかでも特に多い病名は「腰部脊柱管狭窄症」(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)と「腰椎椎間板ヘルニア」(ついかんばんヘルニア)です。
(1)腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛
=年代
腰部脊柱管狭窄症は、50歳以上の中高年に多いが、もともと脊柱管が狭い人は30~40代で症状が出る人もいる。
=坐骨神経痛の原因
加齢により脊柱管が狭くなる事で神経根や馬尾を圧迫し、坐骨神経痛が引き起こされる。
=痛みの特徴
体を後ろに反らせると脊柱管がさらに狭くなり神経などを圧迫するため、
・高いところのものを取る動作
・腰をひねる動作
・背筋を伸ばす動作
などは痛みが出たり、痛みが強くなるのが特徴。逆に、前かがみになると脊柱管が広がるため、自転車の運転や、靴下を履くなどの動作は比較的楽に行える。
(2)腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛
=年代
腰椎椎間板ヘルニアは、20代が最も多く続いて30~40代、次に10代の若い人に多い。
=坐骨神経痛の原因
椎間板がつぶれて飛び出す事で、腰椎の神経を圧迫し坐骨神経痛が起こる。
=痛みの特徴
前かがみになると痛みが出やすい
・あぐらや横座り
・中腰で行う動作
・猫背の姿勢
などは腰への負担が大きく、椎間板が飛び出しやすくなり痛みが出る。
「腰部脊柱管狭窄症」「腰椎椎間板ヘルニア」は主な病気としてご紹介しましたが、他にも骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や腰椎圧迫骨折、腰椎分離症、脊椎カリエス、腰椎分離すべり症、化膿性脊椎炎、なども坐骨神経痛の原因となる病気だと言われています。
筋肉の衰えが坐骨神経痛の原因にも!
筋肉量は20代をピークに減少していきますが、中でも最も衰えが早いのは下肢の筋肉。
上肢や体幹よりも早く、大きく減少していきます。
実は比較的軽症の坐骨神経痛の場合、おしりの筋肉の衰えが原因になっている事が分かっているのです。
おしりの筋肉は…
・坐骨神経を保護する
・坐骨神経に栄養を供給する血管を守る
・坐骨神経を冷えから守り血流を維持する
という役割があります。
そのため軽度の坐骨神経痛であれば、筋肉をつける事である程度改善できます。
また足腰の筋力低下は坐骨神経痛になるだけでなく、ロコモティブシンドロームや肥満の原因にもなりかねません。ロコモティブシンドロームを放置すると、足腰が衰え要介護状態になる危険性があります。
7つのロコチェック
1つでもあてはまると、ロコモティブシンドロームの心配があります。
坐骨神経痛などで歩くことが困難になると、運動不足→筋力の低下→下肢のバランスが悪くなる→さらに動かなくなる…と、生活の自立度が低下していき、介護が必要になる可能性も高まるのです。
すこし大変かもしれませんが、こうした悪循環を防ぐためにも痛みがひどくなる前に、運動療法で下肢の筋肉をしっかりつけ、改善や予防を心がけるよう努力しましょう。
坐骨神経痛の治療法「保存療法」とは?
坐骨神経痛の治療法には「保存療法」と「手術療法」があります。
「保存療法」は、手術以外の治療方法で種類も多様にあり、生活習慣やライフスタイルに合わせて行っていきます。
(1)物理療法
・温熱療法
・マッサージ療法
・低周波電気療法
・赤外線やマイクロ波による治療
・骨盤牽引
これらは主に血行を良くし痛みをやわらげる治療法。
骨盤牽引は、患部を引っ張る事で椎間板にかかる圧力を弱め、痛みを改善する方法です。
(2)運動療法
体操やストレッチにより、筋肉の緊張を和らげ血行を良くし、痛みを改善する治療法。
徐々に運動の負荷を増やして行く事で、下肢に筋力がつき腰椎への負担が減ります。
手術後のリハビリとしても行われます。
(3)装具療法
コルセットなどで腰椎を支え、痛みを和らげる治療法。
腹圧をあげ腰椎を固定し、良い姿勢を保つ効果があるのですが、長期間使用すると筋力が低下してしまうおそれがあるので、1ヶ月程度を目安に利用します。
(4)薬物療法
薬物療法は、薬を使って痛みを和らげる治療法。
薬で疾患を治す事はできませんが、痛みが和らぐ事で気持ちが前向きになったり、活動的になれる事から、筋肉の低下を防ぐ事が期待できます。
(5)ブロック療法
局所麻酔や抗炎症剤を、神経の周りや神経へ直接注入する治療法。
痛みの伝達物質を一時的に遮断する事で強い痛みが緩和するだけでなく、自律神経の緊張も和らぐため血行が良くなり、体内で作られた痛み物質の排出も促されます。
坐骨神経痛の予防法
坐骨神経痛の改善には治療や筋肉アップも大切ですが、腰の負担をやわらげる日常生活を心がける事も大切です。
腰に優しいライフスタイルは、それだけでしびれや痛みの緩和につながります。
腰部脊柱管狭窄症・腰椎椎間板ヘルニアの悪化を防ぐライフスタイル
【腰部脊柱管狭窄症の人は…】
腰を反らせる動作は痛みを強く感じますが、少し前かがみの姿勢になると神経の圧迫が軽くなるため、日々の生活を楽に行う事ができます。
○荷物は腰を落としてから持ち上げる
○少し前かがみの姿勢で生活する
○洗濯物は低い位置で干す
など、なるべく低い位置で作業をする事を心がけましょう。
また、前かがみの状態は転びやすいので注意が必要です。
杖やカートを利用したり、前かがみで乗れるよう調整した自転車を使うなど工夫する事で、安全に移動ができます。
就寝の際は横向きや、あおむけの場合はひざの下にクッションを入れる事で、腰への負担が軽減されます。
【腰椎椎間板ヘルニアの人は…】
前かがみの姿勢は椎間板にかかる圧力が強く、より痛みを感じるため前かがみにならないような工夫が必要です。
○腰が沈み込まないようなソファーやベッドを使う
○台所や洗面所では軽くひざを曲げ、前かがみにならないようにする
○物を拾う時はひざを曲げ、腰を落として拾う
○机と椅子のバランスを調整する
(理想の机と椅子のバランス)
椅子の高さ=身長÷4
机の高さ=40+(身長÷6)
[例]身長175cmの方の場合
椅子の高さ⇒175÷4=43~44㎝
机の高さ⇒40+(175÷6)=69㎝
腰椎椎間板ヘルニアの場合、負担の少ない姿勢は脊柱の“S字カーブ”が保たれた状態です。立っている時も、座っている時も、この“S字カーブ”を意識し、前かがみになったり、無理に背筋を伸ばさないよう気を付けましょう。
日常生活から坐骨神経痛の悪化を防ぐライフスタイル
【禁煙で血行改善】
坐骨神経痛の改善には、禁煙をする事も効果的です。
タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させ酸素や栄養の供給を阻害してしまう事から、椎間板の変形が進み、腰椎椎間板ヘルニアを悪化させてしまう原因となるのです。
禁煙によって血行が良くなると、筋肉の緊張やこわばりもほぐれ、痛みの原因物質の排出も促進され、痛みの改善につながります。
【自分にあった靴を選ぶ】
歩きにくい靴は姿勢を崩す原因になり、坐骨神経痛だけでなく腰痛や関節痛などの障害が起こります。
坐骨神経痛の方は、
・ヒールが低く、なるべく紐靴で足の甲をしっかり支えられるタイプの靴
・スニーカーの場合は、足の付け根あたりで曲がる靴底のものを選ぶ
・かかとをしっかり包み込んでくれるデザイン
・つま先に少しゆとりがあるもので、地面から2.5~3.5㎝上がっているもの
自分に合った歩きやすい靴を選ぶと、腰への負担が減り坐骨神経痛改善にも役立ちます。
もし自分がどのような靴を履けばよいか悩んでしまう時には、シューフィッターがいるお店で相談しながら選んでみるのも良いでしょう。
【買い物袋やかばんはバランス良く持つ】
どちらか一方に重心をかけ続ける事は、脊柱が傾き筋肉の動きをアンバランスにし、姿勢を崩す原因になりかねません。
日常生活で使うかばんや、買い物袋を持つ時は工夫をし、なるべく腰に負担をかけないようにしましょう。
重いかばんを持つ時には…
・ショルダーバッグやリュックのストラップは短めにする
・重い荷物を持つ時は左右に分けたり、持ち替えたりする
・カートを利用する
リュックやショルダーバッグはストラップが長すぎると腰に負担がかかってしまうので、なるべく体にフィットするよう、ストラップを短めに調節します。
また、可能であれば左右に分けて荷物を持ったり、カートを利用するのも良いでしょう。
痛みがあると何事もおっくうになり、動かない事でさらに痛みが増すといった悪循環に陥る事も…。
日々の暮らしの見直しから、日常生活を快適に過ごせるよう心掛けましょう。
坐骨神経鍼灸治療ツボ
坐骨神経痛のツボ坐骨神経痛の鍼灸治療用の主な穴:腎兪、大腸兪,環跳、委中、承筋などツボに20分に鍼を置く。 うつ伏せにできない方は横向きの姿勢を治療を行います。 症状によって温灸も行い、強い症状の場合は低周波を使用します。神経痛には神経痛が本当に効果的です。治療現場では坐骨神経痛の患者様が良く来られます。ツボを知っておくと便利です。
坐骨神経ほっと整体整骨院鍼灸治療風景↓↓
肋間神経痛
2021.11.24
肋間神経痛
肋間神経痛はこんな病気
よく脇腹(時には背中から胸の前面まで)の痛みを「肋間神経痛」という人がいます。しかし「肋間神経痛」は疾患名ではありません。肋骨に沿っている神経を肋間神経と呼びますが、この肋間神経が痛む症状を肋間神経痛といいます。
原因によって痛み方は違い、「急に電気が走るような痛み」や「ジクジクとした持続する痛み」などがあり、痛みの起こる場所は背中から脇腹、胸の前面やおへそ辺り、まれには足の付け根まで痛みを感じることがあります。
心臓・太い血管や肺などの内臓の疾患が原因で起こる胸の痛みとの違いは、痛む場所や範囲がはっきりしており、肋骨に沿って起こる比較的鋭い痛みということです。特徴的なのは、上半身の右側か左側のみに起こり、特殊な場合を除いて左右両側に起こることはありません。
原因は様々で解明されていないものもありますが、明らかに原因がある場合を症候性肋間神経痛、明らかな原因がない場合を特発性肋間神経痛といいます。
症候性肋間神経痛の原因は、変形性脊椎症・胸椎椎間板ヘルニア・脊椎腫瘍など脊椎に原因がある場合、そして肋骨骨折や肋骨の腫瘍が原因となる場合があります。これらが原因の場合は身体を動かした時、特に上半身を前後に曲げたり、左右に曲げたり廻したりすると痛みを強く感じることがあり、時には「息ができないほど痛い」こともあります。
脊椎や肋骨に原因がない場合に起こる症候性肋間神経痛の代表的なものは、帯状疱疹です。帯状疱疹は、帯状疱疹ウイルスが神経の中を通って皮膚に達して皮疹を起こす疾患ですが、胸部に発症すると肋間神経痛を起こします。帯状疱疹による肋間神経痛は、皮疹の有無に関わらず「ヒリヒリ」「ジクジク」とした皮膚表面の持続的な痛みを感じます。
肋間神経痛の治療法
前述のように肋間神経痛は1つの症状ですので、原因によって治療法は異なります。重症の肋骨骨折を除いて、外傷によって肋骨を痛めた時に起こる肋間神経痛は、消炎鎮痛薬の内服で治療できます。脊椎の疾患が原因の場合は、MRI等の画像診断を含めて原因の重症度を診断したうえで、外科的手術が行われることがあります。軽症の場合は、消炎鎮痛薬や神経障害性疼痛※1に有効な専用の内服薬、さらにリハビリテーションやストレッチなどの運動療法が行われることもあります。帯状疱疹の場合は、発症早期の抗ウイルス薬の投与と、肋間神経痛が強い場合は神経障害性疼痛専用内服薬が有効な治療法です。手術適応がなく※2内服薬でも治らない場合、また原因がはっきりしない特発性肋間神経痛の場合は、神経ブロックが適応されます。神経ブロックとは、痛みの原因となっている神経に局所麻酔薬や、消炎作用の強いステロイドを注射して治療する方法で、多くはペインクリニック科で実施しています。
※1 神経障害性疼痛:なんらかの原因で末梢神経が傷つくことによって起こる痛み
※2 手術適応がない:外科的治療の場合、責任病変と症状の関連性が明確な場合に手術が適応となりますが、患者さんの同意がなければ適応されません。また、病変と症状の関連性が低い場合(病変が責任とは完全に否定できない場合など)患者さんの希望を含めた総合的な判断で手術が適応されます。手術は外科医の説明に基づいて患者さんが同意して適応されます。
肋間神経痛にたような症状
. 肋間神経痛と似た症状が現れる主な病気:狭心症、心筋梗塞、気胸、胃十二指腸潰瘍など
肋間神経痛はほかの病気と症状が似ていることがあり、他の病気を見逃さないことが大事です。ここでは肋間神経痛と似た症状が現れる主な病気を紹介します。
- 感染症
- 心臓の病気
- 肺の病気
- 食道や胃十二指腸の病気
- 骨の病気
- 原因のはっきりしないもの
肋間神経痛と症状が似ている病気の中には緊急で対応が必要なものも含まれています。症状が似ているため検査をしないと見分けることが難しいことがあります。今までに経験のない胸痛などが現れたときには速やかに医療機関を受診することが大事です。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は神経節に潜んでいた水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化して痛みや水疱(すいほう)などができる病気です。水痘帯状疱疹ウイルスは水ぼうそうを起こすウイルスでもあります。帯状疱疹は抗ウイルス薬で治療することができます。帯状疱疹を肋間神経痛と見分けることが治療において大切です。帯状疱疹では特徴的な皮疹がでるので診察で区別することが可能です。
少しややこしい話ですが帯状疱疹が治った後の後遺症として肋間神経痛が起こることがあります。帯状疱疹後の肋間神経痛を帯状疱疹後神経疼痛(PHN: Postherpetic Neuralgia)とも呼びます。帯状疱疹後の肋間神経痛の痛みは数カ月から数年に及ぶことがあります。
帯状疱疹の詳細な情報については「イオントフォレーシスなど、帯状疱疹後神経痛の治療を解説」も参考にしてください。
狭心症(きょうしんしょう)
心臓に酸素や栄養を送る血管を冠動脈といいます。狭心症は冠動脈が何らかの原因で狭くなったりして心臓に十分な酸素が供給できなくなる病気です。
狭心症の主な症状の一つに胸が締め付けられるような痛みがあります。痛みは数十分でおさまることもあります。肋間神経痛でも突然胸に鋭い痛みがはしることがあり狭心症と症状が似ていることがあります。
肋間神経痛と狭心症は身体診察や心電図、血液検査などの検査を組み合わせて見分けます。
心筋梗塞(しんきんこうそく)
心臓に酸素や栄養を送る血管を冠動脈といいます。心筋梗塞は冠動脈に閉塞が起きて心臓の細胞(心筋細胞)が障害を受ける病気です。狭心症と似ている点がありますが冠動脈が閉塞して途絶えている点が異なります。
心筋梗塞の症状は胸痛です。肋間神経痛の胸痛と似ていることがあります。心筋梗塞の胸痛は時間が経過しても収まることはありません。心筋梗塞は重症になると死に至ることもある病気です。一刻も早く医療機関を受診して治療を受けることが大切です。
肺塞栓(はいそくせん)
肺塞栓症は血の塊が心臓から肺に向かう動脈に詰まる病気です。エコノミークラス症候群と言う呼び名で耳にしたことがあるかもしれません。
肺塞栓は重症の場合には命に関わることもあります。長時間同じ姿勢で過ごした後に身体の体勢を変えた後に発症することがあります。
肺塞栓症の症状の一つに胸痛があります。肋間神経痛でも胸痛が現れることがあるので区別しなければならないときがあります。肺塞栓には他にも息切れや動悸、めまいなどの症状が現れます。診断のために検査が必要なことがあります。胸が痛くて息切れなどがあるときには肺塞栓も疑わなければならない病気の一つです。
気胸
気胸は肺に穴が開いて肺を覆う胸腔(きょうくう)というスペースに空気がもれ出る病気です。気胸は肋間神経痛と同じく発症すると突発的な胸痛などが現れます。気胸では他に息苦しさや呼吸困難、咳などの症状も現れます。
肺に穴が開く気胸が起きると肺の周りの胸腔に空気が漏れ出て肺が縮んでしまいます。胸腔にたまる空気の量が多いと心臓や肺が圧迫されて重症になります。緊張性気胸と言います。
胃食道逆流症(逆流性食道炎)
胃食道逆流症は胃液が本来の流れとは逆に食道に流れる病気です。胃食道逆流症の原因は下部食道括約筋の機能が落ちることです。下部食道括約筋は食道と胃のつなぎ目を締める筋肉で胃液の逆流を防止しています。
胃食道逆流症ではみぞおちや胸に痛みがでることがあります。みぞおちや胸の痛みは肋間神経痛と共通する症状です。胃食道逆流症は緊急で治療が必要な病気ではありませんが、炎症が強くなると出血をしたり食道にひどい潰瘍をつくることがあります。胃食道逆流症は内視鏡(胃カメラ)などを用いて診断します。
胃・十二指腸潰瘍
胃・十二指腸潰瘍は胃や十二指腸の粘膜の防御機能が低下して、粘膜が消化液により障害を受けてクレーターのようなくぼみができる病気です。胃・十二指腸潰瘍の症状はみぞおちの辺りの痛みなどが典型的ですがまれに胸が痛くなることもあります。胃・十二指腸潰瘍は内視鏡検査で診断を行い、胃薬などで治療することができます。
肋軟骨炎(Tietze症候群)
肋軟骨炎(ろくなんこつえん)は肋骨を構成する軟骨の部分に炎症が起こる病気です。肋軟骨炎は40歳を超える女性に多いとされます。
肋骨は骨の部分と軟骨の部分で構成されており、肋軟骨は体の前側の中心に近い部分にあたります。肋軟骨炎は1つまたは複数の肋軟骨が痛みを伴って腫れます。肋軟骨炎は自然に治癒することが多いです。
プレコーディアル・キャッチ症候群
プレコーディアル・キャッチ症候群は原因のはっきりとしない胸痛が突然起こる病気です。プレコーディアル・キャッチ症候群はあらゆる年齢に起きうる病気ですが若い人に多く、特に6-12歳が発症しやすいとされています。
プレコーディアル・キャッチ症候群の胸痛は30秒から数分ほど続きますが自然と治まることが多いです。胸痛は安静時に多く現れ睡眠中には起こらないことも特徴の一つです。
肋間神経痛鍼灸治療
膻中 |
身体の正中線上で乳頭の高さにあります。 |
巨闕 |
みぞおちの下にあります。 |
期門 |
第九肋骨の高さで乳頭のラインにあります。 |
膈兪 |
肩甲骨の下角(肩甲骨の先端)のラインにあります。 |
肝兪 |
膈兪から骨2本分下にあります。 |
日月 |
期門のすぐ下に取ります。 |
淵液 |
脇の中央部分に取ります。 |
鍼灸治療のまとめ
肋間神経痛はその名の通り肋骨と肋骨の間の痛みです
わき腹痛などの痛みなどもあり鋭い痛みが走ります。
狭心症等の痛みと似ているため心臓が思ったら肋間神経痛
だったりします。肋間神経に痛みが出たら鍼灸治療をしましょう!!
肋間神経痛患者様の鍼灸治療を載せますね↓↓
膝に痛みが出る原因は
2021.11.24
加齢とともに出てくるのが膝の痛みであったり、肩や背中、腰の痛みが多いと思います。
今回は『膝の痛み』にスポットをあて、なぜ痛くなるのか?どのような治療方法があるのかをご紹介していきます。
膝が痛くなる原因
加齢により膝が痛いという場合のほとんどが変形性膝関節症です。
特に、女性に多く、大半が内反(O脚)の変形を伴い、症状が進むにつれて内側の関節面の軟骨がすり減っていきます。
関節の変形は、全身のどの関節にも発生します。
加齢とともに発生頻度は増加しますが、それほど体重のかからない関節では、変形が生じにくく、関節の変形があったとしても、傷みなどの症状がない場合もあります。体重がかかり、酷使される機会が多い膝に痛みを感じる事が多くなります。
膝にかかる負荷はどのくらい?
膝関節は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)とを結ぶ関節であり、体重がかかりやすい関節で、人体の中でも大きな関節です。
膝関節には体重の約3~4倍の荷重がかかります。
例えば、体重が50kgであれば膝関節に150~200kgの負担が生じることになります。
また、膝を伸ばす時には、太もも前面の大腿四頭筋という大きな筋肉の助けを借り、膝を曲げるときには、太もも後面の大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の助けを必要とします。この大腿四頭筋の筋力が低下してくると、歩きづらくなったり、膝に痛みが生じたり、膝の病気に関係することが多くなってきます。
膝の痛みに効果的な運動
●膝に痛みがない場合
痛みがひいた時に行う運動としては、簡単にできるウォーキングがオススメです。
歩かないといけないと感じる方がいると思うのですが、ただ近所周りのお散歩感覚で大丈夫です。距離も長いといけないというわけではありません。
1日15分~20分くらい歩く事を日課に目指していきましょう。
●膝に痛みがある場合
リハビリでも行われる水中ウォーキングが比較的安全に行なう事ができる運動です。
水の中では浮力が有るので体重が軽くなり、運動時に足や膝にかかる衝撃や負担が軽減されます。
注意点としては、前の方へ歩く時に水圧で上半身をあおられて、腰を傷めることもあるため、腰痛を起こしやすい方は注意が必要になります。
歩行以外には、寝ながらでも、椅子に座ったままでも出来る大腿四頭筋という、膝を伸ばす太ももの筋肉を強化する運動もあります。膝への負担を少なくするために、体重を支えている大腿四頭筋を鍛えて強くすると、膝の動きを制御できるようになり、関節軟骨に傷がつくのを防げるようになります。
膝の痛みを早く解消するためには?
①まずは患部を安静に保つ事
②痛みの原因である炎症を抑えてあげること
この二つをまずは徹底してあげることが大切です。
炎症を早く改善するには超音波治療!
痛めている幹部に超音波治療を行うこと、何もしない場合と比べ、炎症改善できる期間がグンと縮まります。
スポーツ選手も自身の体のケアに超音波治療を取り入れているのは有名です。毎日の練習やトレーニングで筋肉や関節に負担が一般の人より多いからです。
膝関節の超音波
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患者様からも、「軽くなった!」「痛みがまし!」といったと言うお声を頂いております。
「私のも合うかな〜」と疑問をお持ちでしたらぜひご相談くださいね!
足の冷えるのはなぜ?
2021.11.23
足の冷えるのはなぜ?
足の冷えの原因 足先が冷える理由として一番多いのは、運動不足と言われています。 足の筋肉、特にふくらはぎは第2の心臓と言われており、足先の血液を腎臓に戻すポンプのような役割をしています。 そのため、運動不足が続くと、足先の血液循環が悪くなり、足が冷えるとともに足がむくみます。鍼灸治療で代表的なツボとしては女性か疾患で有名な三陰交足背動脈が通る太衝が有名です。主に下腿部の疾患ではおきゅうを使うことが多いです。鍼を使う場面としては太谿・復溜等などの腎経のツボに使うことが多いです。湧泉や失眠とうのツボにおくと保温効果むくみ等に効果があります。前脛骨筋のマッサージをすると下腿のむくみに効果があります。店の前においてます。もしよければ確認してみてください。駅から一分ぐらいで扉の横にブラックボードを設置しています。
冷え症は女性の方が多い疾患です。当院でも20から70代の年代まで鍼灸治療をされる方が多いです。
足の冷えの原因は何か?
そもそも足が冷えるワケは?
人間の体は大きく分けて2種類の神経によって動かされています。一つは手で物を持つ、足で歩く、目で見るなどの自発的な動き・感覚にかかわる「体性神経」。
もう一つが心臓を動かしたり、呼吸をしたり、消化などの内臓の運動にかかわる、自分の意思では動かすことのできない「自律神経」です。この自律神経の働きに、体温を一定に保つため血液の流れる量を変化させるという機能が含まれています。
夏場、暑さを感じると皮膚から熱を発散させるために、血管を広げて血流を増やし、体温を下げようとします。一方、皮膚が寒さを感じる(寒冷刺激)と、今度は逆に血液が流れにくくなるよう血管をギュッと縮めて、皮膚の表面温度を低く保ち、体中の熱が外に放出されにくい状況を作り出します。
このように、冷え性が起こる原因は、環境に対して体を守ろうとする自然な防御反応の結果なのです。寒い時季になると足が冷えやすくなるのは、ある程度はいたしかたないともいえます。
足が冷えやすいのには理由があります
そもそも足は体の中でも特に冷えやすい部位である、と言えます。
血液を全身に押し流しているのは心臓の働きによるものです。心臓は自ら拍動することで、ポンプのように血液を全身に送り出していますが、心臓から遠くなればなるほど血液は行きわたりにくくなります。
足は、人間の体の中で、最も心臓から離れているため、他の部位と比べると、当然血液を流すパワーは小さくなってしまうのです。
心臓からの距離によって、血管の太さも変化しています。私たちの体の血管は、基本的に心臓に近い動脈ほど太く、心臓から離れるにしたがって細い毛細血管になっていきます。これも、末端の部位に血液が流れにくくなる原因のひとつです。
また、地球の重力も影響を与えています。血液は、重力の影響で上から下には流れやすいのですが、下から上には流れにくくなります。足先から心臓へ戻る血流は、重力に逆らわなければなりません。
以上のことから、体の一番下に位置する足、さらに末端部位である足先は、もともと血流が悪くなりやすく、冷えやすい部位である、と言えるのです。
足の冷えの解消方法
(1)仕事中の対処法
デスクワークでも立ち仕事でも、基本的に長時間同じ姿勢を取り続けている状態は、血行不良を招き、足の冷えを引き起こす要因になります。
数時間に1度はデスクを離れ、歩くようにしましょう。このとき、エレベーターは使わず、階段を上り下りするのがポイントです。
空いている時間には、少しでも体を動かし、固まった筋肉をほぐすクセをつけてしまうと、習慣になります。
筋肉を動かすことは血液を押し流す作用を高めることにつながります。どうしても動けない状態であれば、こまめに脚やふくらはぎをマッサージするだけでも血流の改善につながります。
(2)暖房器具での対処法
下半身、特に足を冷やさないためには、暖房器具にも気を遣いたいところ。家ではエアコンよりも、下半身を集中的に温める床暖房やコタツを、オフィスではパネルヒーターやデスクヒーターを活用しましょう。
(3)食事における対処法
体を内側から温めて血行をよくするには、体を温める食べ物&食べ方を知り、実践することも効果的です。
たとえば、体を冷やしやすい食べ物に分類される豆腐を食べる際には、冷奴やサラダなどよりも湯豆腐にする、などの工夫が必要です。
また、フルーツ類は基本的に体を冷やす傾向があるので、この時期はできるだけ控えるのがいいでしょう。間食やお酒のおつまみなどに、血行促進に働くビタミンEが豊富なナッツ類がオススメです。
イカとタコは、アミノ酸のタウリンが豊富に含まれ、栄養素的には似通った点が多い食材です。しかし、イカは比較的体を温める、タコはとにかく体を冷やす性質があるので、知っておくといいでしょう。
(4)運動における対処法
血流は、筋肉の動きによって促進されますが、それ以外にも、筋肉はそれ自体の運動によって熱を生み出す働きがあります。つまり、筋肉が少ない人は、それだけで冷えやすいというわけです。
実際、男性に比べて筋肉量の少ない女性のほうが、冷えの傾向が強いとされています。足の冷えであれば、下半身を動かすストレッチや屈伸、スクワット、またウォーキングなどが特に効果的となります。
筋肉量を増やすことを意識して、下半身に少し負荷をかけた運動を行うと、冷えの撃退のみならず、引き締まったお尻やふとももも手に入ります。
(5)お風呂での対処法
熱めのお風呂にサッと入るだけだと体の内側まで十分に温まらず、湯上りに体が冷めやすくなります。目安としては、38~40度くらいのお湯にゆっくりと時間をかけて浸かった方が、冷えには断然効果的です。
お風呂に入る時間がないという人でも、週1~2回はお湯に浸かるといいでしょう。風呂にお湯を溜めるのが大変であれば、足湯だけでも効果はあります。
(6)関節を冷やさないようにする
関節を冷やすと身体の保温機構が乱れるため身体を冷やして寝ると免疫力低下を招いてしまうため、結果発熱・感冒症状等が出てしまうことがあります。就寝の際はしっかり毛布を掛けてください。
足の冷えに効く鍼灸治療
太衝(たいしょう)
このツボは、血流から冷えを改善します。また、肝臓、筋肉、眼といった私達が日頃酷使しているからだの部分と深い関係のある「肝経(かんけい)」という気の流れに属しているため、肉体疲労、精神的ストレス、眼精疲労、肝臓の疲れでもこのツボを押すと痛いことがあります。特に冷えでは、へこんだ感じがしたり、冷めたく感じたりします。
【養生法】
温めましょう。温灸がとても効果的なツボです。冷えた足が生き返ります。お灸が難しい場合は、お風呂の中でリラックスしながら「3秒押しては3秒離す」を繰り返してみてください。
太衝を温めたりすることによって、上半身の気の回復にもつながります。鍼灸治療には陰経と陽経がありその因果関係をもって治療します。太衝付近にある足臨泣も効果的であるといえます。坐骨神経の関連の経絡上にあるので神経安定効果もあります。整形外科でやるようなぐーちょきぱー運動とかも効果がります。足を細かく動かすことで冷え防止のほかに脳神経促進効果による認知症防止にもつながります。是非とも一度はして見てください。
当院のお灸の治療画像を参考にしてみてください! こちらです↓↓
腰痛になりやすい人の特徴
2021.11.22
腰痛は、日本人の抱える痛みの中で最も多い症状です。腰痛というと、高齢者が抱えているもののようなイメージがありますが、最近では小学生でも腰の痛みを訴えて来院するケースが増えてきました。
ある日突然、腰に激痛が走り、治ったと思ったらぶり返すやっかいな腰痛。
なぜ、こうした症状が起こるのでしょうか。
腰痛になりやすい人の特徴
画像検査(レントゲンやMRI)で原因が特定できない腰痛を『非特異的腰痛』と呼びます。
急性腰痛症や慢性腰痛症などが、この非特異的腰痛にあたります。
非特異的腰痛の原因はさまざまで、次の事が多い人に見られます。
①姿勢が悪い
腰痛の大きな原因のひとつが『姿勢の悪さ』です。
特に、座っているときは姿勢が崩れやすく、長時間座ることで、腰へのインパクトも大きくなります。立っているときよりも、座っているときの方が、1.4倍も腰に負担がかかるというデータも!!
②運動不足・運動の過剰
運動不足だと筋肉が衰えて動きも悪くなってきます。
筋肉が衰えることで体液の流れも悪くなり椎間板や靭帯の新陳代謝も悪くなります。結果、腰痛が起こりやすくなってしまいます。 また逆に、運動をしていると健康になれそうな気がしますが、過剰な運動が原因で腰痛になるケースもあります。
③飲酒や喫煙習慣がある
タバコに含まれているニコチン成分には血管収縮作用があります。
その作用により腰回りの血液の流れが滞って、腰痛になってしまうのです。また、ニコチンには椎間板をの弾力を低下させる働きもあるため、椎間板ヘルニアになりやすくなります。
お酒は適度に飲むのはいいですが、量が多くなってしまうと危ないです。
多量のアルコールを摂取することで、内臓に過度の負担がかかってしまいます。飲酒によって影響を受けやすい臓器は、膵臓、腎臓、肝臓、胃などで、これらの臓器の不調が腰痛として現れることがあります。
④ストレスが溜まりやすい
腰痛を患っている方の約3分の1に痛みの原因として、強いストレスなどの精神的問題、うつ症状が見られる傾向があります。
ストレスや怒りを感じると自律神経の働きが悪くなり、自律神経の働きが悪くなると、血流が悪くなるため、筋肉が正常に動かなくなったり、自然治癒力が低下したりします。
⑤きつすぎる服やハイヒールをよく履く
着圧の服のような体を締め付けるような下着や洋服は、血行不良の原因となります。
補正下着やきつめのジーンズなど腰回りの血の巡りが悪くなるようなものを身につけると、血流不足になりぎっくり腰になりがちなので気をつけましょう。
また、ヒールの高い靴を履くと、体の重心が前に傾きがちになってしまい傾いた体のバランスを取ろうとして腰やお尻の筋肉が緊張した状態がハイヒールを履いている間ずっと続き腰痛になりやすいです。
腰痛には吸い玉治療がイチバン!
滞っている血の流れを良くしていきます。
腰だけでなく身体全身に行うことができるので冷え性やむくみが気になる場合は足の方に、肩こりが酷い方は肩や首にと様々な部位にできます!
筋筋膜性腰痛
2021.11.22
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛とは何か?
筋・筋膜性腰痛は、腰の筋肉や筋膜に対して急激にあるいは慢性的に負担がかかることで生じます。 この腰痛はレントゲン上では異常がなく、足への痛みや痺れなども起こりません。 スポーツなどで腰の筋肉に急なストレスがかかった場合や、不良姿勢などで慢性的に筋肉や筋膜への持続的なストレスが生じた場合などに発症します。
整骨院に通う患者様というのは圧倒的にこの筋筋膜性の腰痛が多いのです。
【治療とリハビリテーション】
筋・筋膜性腰痛の治療では、薬物療法、運動療法、温熱療法、装具療法などが行われます。発症直後の急な強い痛みの後では、基本的には安静とアイシングが大切になってきます。ただし、過度な安静は痛みを長引かせる原因にもなってしまうため、痛みが落ち着いてきたら速やかに軽めのストレッチなどを始めます。そして、損傷部位を温めることで血行が改善され、修復を早めてくれます。また、損傷した筋肉は筋出力が低下してしまっている可能性もあるため、再発を防ぐためにも腹筋や背筋などの筋力トレーニングを行うことも重要になってきます。また、仕事やスポーツを行う姿勢や動作方法などに原因があるようであれば、姿勢や動作方法の改善のためのトレーニングや指導を行い、筋・筋膜にかかるストレスの軽減を図っていきます。
通常の筋・筋膜性腰痛であれば人の身体が持つ自然治癒力により3週間程度~3ヶ月以内に自然に治ることがほとんどですが、本来安静にしておくべき時期に仕事やスポーツなどを再開してしまったことにより、痛みが慢性化してしまうケースは少なくありません。ただし、過度な安静は腰痛を長引かせてしまう要因になりますので、痛みがひどくならない程度の活動量で身体を動かすことも大切です。一般的には筋・筋膜性腰痛の予後は良好とされていますので、適切な時期に適切な治療を受けられれば大きな問題は起こりにくいと考えられます。
筋筋膜性腰痛に対する水泳運動療法の効果
腰痛に対する水泳運動療法の有効性を知ることを目的として,慢性腰痛の患者29名を対象とし,腰痛教室の形式で集団的水泳運動療法を実施した.
治療開始後3ヵ月で腰痛の軽減と腹筋・背筋力を主体とした脊柱機能検査での改善が認められた.また,肥満についても著しい改善が認められた.動作表面筋電図解析では,治療開始前に認められた傍脊柱筋の筋活動電位の左右非対称性は,治療後には消失し,傍脊柱筋の拘縮の改善が認められた.
以上より適切な指導下に行う水泳運動療法は慢性の腰痛の治療に有効であると考える.
筋筋膜性腰痛の原因はトリガーポイント?
トリガーポイントとは?
トリガーポイントとはトリガー=引き金という意味で痛みの引き金になるシコリ(硬結)の事です。このシコリが発生源となり痛みやシビレ感が離れた場所にも広がります。この広がりを関連痛と呼びトリガーポイントが発生する場所によっては発汗・眩暈(めまい)などの自律神経症状を引き起こす場合もあります。この様にトリガーポイントを起点とし様々な症状を呈することを筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ぶのです。
シコリと聞くと筋肉を思い浮かべますが、トリガーポイントは筋肉自体だけでなく、筋肉と骨の接合部・隣接する筋肉間などのほか靭帯・腱などにも発生します。
これらの筋肉以外の部位にトリガーポイントが発生するのは実は筋肉よりも結合組織である筋膜に原因があることが多いからです。最近では重責(肥厚)した筋膜にトリガーポイントが多く発生するという話も聞きます。筋膜は筋肉だけでなく骨・関節・内臓などすべてを包み込み連結している膜であるため身体のどの部分にトリガーポイントが発生しても不思議では無いということになります。
図.で示された赤色の部分は、筋筋膜性疼痛症候群によるお尻から脚にかけて広がる痛みやシビレを表したものです。
この様な症状は医療機関に行けば脊柱管狭窄症やヘルニアなどからくる坐骨神経痛と診断されます。また検査に異常がなければ原因がわからない、単に坐骨神経痛と言われることが殆どです。
しかし、図.の症状はそれらの神経障害などが原因ではないのです。左お尻の外側部分にある✖印の部分のところ、そこにあるシコリの部分=トリガーポイントが原因なのです。
トリガーポイントの発生要因
①筋繊維の損傷によるトリガーの発生
画像の説明を入力してください(フォントが小さく設定された文章です)
人の筋繊維は繰り返しの動作や筋肉の持続的な緊張や急激な運動、日常生活の動作などのストレスにより微小損傷します。微小損傷を受けた筋繊維は収縮して筋肉痛の症状が現れますが、通常は数日で回復します。
しかし回復するまでの間にさらなる過負荷やストレス、または過剰なマッサージなどが悪影響を及ぼし筋収縮を持続させてしまう事があるのです。この状態が続くと、やがて筋肉は拘縮状態(筋肉が固まる)となり痛みが治らない状態となってしまいます。
この様な筋拘縮により固められた状態を筋硬結または索状硬結と言います。問題のある筋肉の中にはこの硬結が存在し、押すことにより痛みを発します。これを圧痛点とよびます。
圧痛点の中には押すと飛び上がるほどの痛みを発すると同時に痛みが他の場所へと広がるものがあります。それをトリガーポイントと呼びます。押すと飛び上がるような痛みをジャンプサインといい、広がる痛みを関連痛といいます。
人の体にはトリガーポイントは複数存在しますが、普段は痛みを発生しない潜在性トリガーポイントと痛みを今現在、発している活動性トリガーポイントがあります。
過去にケガなどをした場所や治った痛みが再び痛みだすのは潜在性のトリガーポイントとして残っていたものが、再び活性化し活動性トリガーポイントへと移行するために起こるのです。
筋筋膜性腰痛に対する鍼灸治療
腰痛の原因としては「筋・筋膜性腰痛 」「脊椎疾患」「脊髄疾患」「神経根・末梢神経の障害」「骨盤周辺の疾患」「内臓疾患」などさまざまです。
特に女性の骨盤は扁平で幅広くなっているため、直立歩行に適しているとは言えません。直立歩行でバランスをとるために普段から腰には負担がかかっています。ヒールのある靴などをはくことで、さらに腰や靭帯への負担がかかり、慢性疲労につながります。その結果、腰痛が起こりやすくなってしまうのです。
今回ご紹介するツボは、生理中の腰痛にも使えます。実践時は息が浅いと深部まで刺激が届きません。まず、手を痛いところに当てて、気持ちと呼吸を落ち着けてから ツボを刺激していただきたいと思います。
腰痛を軽減したいときのツボ
腎兪(じんゆ)
発育や生殖など生きる力に関わる症状、排泄、腰痛、浮腫み、ストレス、だるさほかに対応します。生理痛対策としても使えます。
■場所: 腰、腰骨の高さで腰に手を置いたときに親指があたったところから指2本分上がったところ。おへその高さで腰に手を置いたときに親指が届くところ。
帯脈(たいみゃく)
腰痛、生理不調、生殖、おりものほかによいとされています。
■場所: おなかのわき、おへその高さで手を腰にあてたとき、親指と人差しの間の股があたるところ。
委中(いちゅう)
腹痛、排尿障害、腰痛や膝痛などから下の症状で悩みがあるときに試してください。
■場所: 膝の後ろ、膝の線上の真ん中。
崑崙(こんろん)
頭痛、頸肩背の痛み、背中の痛み、腰痛、坐骨神経痛、めまいほかによいです。
■場所: 足首、外くるぶしとアキレス腱との間のところ。
腰痛点(ようつうてん)
急性腰痛、頭痛、耳鳴り、手の痛みほか。周辺を刺激することでイライラ・ストレス解消にも効果が期待できます。
■場所: (1)手の甲、ひとさし指と中指の骨の間で、2本の骨が合わさる手前にあるくぼみ。(2)手の後、くすり指と小指の骨の間で、2本の骨が合わさる手前にあるくぼみ。
筋筋膜性腰痛に対する
鍼灸治療風景