整骨院で取り扱える症状と禁忌を徹底解説
~柔道整復と鍼灸治療の役割と正しい活用方法~
✅ 整骨院とはどんなところ?
整骨院は、国家資格を持つ柔道整復師や鍼灸師が施術を行う医療系施設です。
病院やクリニックとは異なり、薬や手術に頼らず、人が本来持つ自然治癒力を引き出してケガや不調を改善していく場所です。
特に整骨院は、
- 柔道整復(外傷処置・ケガへの対応)
- 鍼灸治療(慢性症状や自律神経のケア)
の2つを中心に行うことができ、幅広い症状に対応できます。
ただし、すべての疾患を対象にできるわけではなく、医師の診断が必要な症例や禁忌も存在します。今回はそれを詳しく見ていきましょう。
① 柔道整復で取り扱える症状
柔道整復は、いわゆる「接骨」や「ほねつぎ」として昔から親しまれてきました。
骨や関節、筋肉など運動器の外傷に対して施術ができるのが特徴です。
▶ 主な対応症状
- 骨折:応急処置は可能。継続治療には医師の診断が必須
- 脱臼:整復後の固定まで可能。ただしこちらも医師の同意が必要
- 捻挫(ねんざ):足首や手首、膝など、スポーツや日常動作で起こりやすい
- 打撲(うちみ):転倒や衝突でのケガ
- 挫傷(肉離れ):筋肉が部分的に損傷する状態
▶ 柔道整復の特徴
- 急性期の外傷に強い(スポーツや転倒のケガ)
- 保険適用が可能な症例が多い
- 骨折や脱臼は医師と連携して施術できる
👉 学生アスリートや部活生、日常での急なケガにとても有効です。
② 鍼灸治療で取り扱える症状
鍼灸治療は、東洋医学に基づき 「気・血・水」の流れを整える施術です。慢性症状や自律神経の乱れに強く、柔道整復ではカバーできない分野を補います。
▶ 主な対応症状
- 慢性痛:肩こり、腰痛、頭痛、五十肩
- 自律神経失調:不眠、めまい、動悸、疲労感
- 婦人科系の不調:生理痛、更年期障害、不妊症サポート
- 冷え性・むくみ
- スポーツ障害:シンスプリント、オスグッド、腱鞘炎、テニス肘
- 内科的不調:胃腸虚弱、便秘、下痢、逆流性食道炎
▶ 鍼灸治療の特徴
- 薬を使わず自然治癒力を高める
- 自律神経やホルモンバランスを整える
- 「病院に行くほどではないが不調が続く」ときに有効
👉 特に30~40代女性から「肩こり・自律神経の乱れ・女性特有の不調」で人気の高い施術です。
③ 整骨院で取り扱えない症状・禁忌
整骨院は万能ではありません。中には、医師の診断や治療が必須となる疾患があります。
❌ 柔道整復で扱えない症例
- 骨折・脱臼を医師の同意なく継続治療すること
- 慢性疾患の治療(糖尿病・高血圧など)
- がんや感染症による痛み
❌ 鍼灸治療の禁忌
- 悪性腫瘍(がん)
- 感染症(肺炎・インフルエンザ・COVID-19など)
- 出血性疾患(血友病・大動脈瘤など)
- 妊娠初期の一部ツボへの刺激(流産リスクのため)
- 飲酒後や高熱時の施術
- 皮膚感染症や強い炎症がある部位
👉 命に関わる病気や急性疾患は必ず病院での受診が必要です。
④ 整骨院と医療機関の正しい使い分け
「整骨院で診てもらえるか分からない…」という声をよく耳にします。
判断の目安は次の通りです。
- 急性のケガ(捻挫・打撲・肉離れ) → 整骨院(柔道整復)
- 慢性的な肩こり・自律神経の乱れ → 整骨院(鍼灸治療)
- 発熱・内臓疾患・がん → 病院や専門医
整骨院は医師との併用も可能です。
例えば「整形外科で診断を受けてからリハビリ目的で通う」というケースは非常に多く、安全性も高まります。
⑤ 患者さまが安心して通えるために
整骨院は、患者さまの体に寄り添う身近な存在です。
- 痛みや不調を抱えているけれど病院に行くほどか分からない
- 薬に頼らず改善したい
- スポーツや日常生活の動作で支障をきたしている
そんなときに、整骨院はとても有効な選択肢になります。
ただし大切なのは「整骨院で対応できる範囲」と「医師の診断が必要な症例」を正しく見極めること。
これを理解しておくことで、安心して施術を受けることができます。

🌟 まとめ
整骨院は、
- 柔道整復 → ケガ・外傷性疾患に強い
- 鍼灸治療 → 慢性痛・自律神経症状に効果的
という特徴があります。
一方で、がんや感染症・重度の内科疾患などは対象外で禁忌です。
👉 正しく使い分けることで、整骨院は皆さまの健康を守る強い味方となります。


















